BIOSは「Basic Input Output System(ベーシック・インプット・アウトプット・システム)」の略です。日本語で表すと「基本入出力システム」となりますが、これは覚えなくてもいいでしょう。この記事では、BIOSについて解説します。
BIOSは最もハードウェア(機械)に近い場所にあるソフトウェアである
BIOSは、パソコンのマザーボード上に配置されているBIOSチップと呼ばれる小さな部品の中にインストールされているソフトウェアです。パソコンの電源を入れたとき、すぐにWindowsなどのOSが起動しているわけではなく、まず最初にBIOSが起動して、ハードウェア的な問題が起きていないかどうかを診断し、問題がなければパソコンに備えられた「ブートローダー」という仕組みがOSを読み込んで起動させる、という動作をしています。
BIOSはどうやって使うのか
パソコンの電源を入れてから数秒以内に定められたキーを押す
BIOSの画面を表示させる手順はほぼすべてのパソコンで共通で、それはパソコンの電源を投入してから数秒以内に定められたキーを押す、というものです。定められたキーが何であるかはパソコンによって様々ですが、「F5」キーや「DEL」キーなどが多いです。
「定められたキーを『押す』」といっても実際は、パソコンの電源を入れたらそのキーを「連打」するくらいのほうがうまくいきます。下手にタイミングを図ろうとするとチャンスを逃してしまいOSが起動してしまうこともしばしばあります。
BIOSはどんなときに使うのか
ではパソコンの利用者である僕たちが、能動的にBIOSを使う局面とはどのようなものなのでしょうか。それは主に2つあり、一つは、なにかの目的でBIOSの設定を変更したいときです。もう一つはBIOSの画面上で情報を確認したいときです。
①BIOSの設定を変更したいとき
BIOSの設定とは、具体的には、パソコンの背面に備えられている接続ポートの設定を変更したいときや、複数の起動装置(ハードディスクなど)がある場合にどういう優先順でブートローダーに起動させるのかといった設定を変更したいといった場合があげられます。
②BIOSの画面上でパソコンの情報を確認したいとき
BIOSはパソコンの中で最もハードウェアに近い場所で動いているということはすでに説明しました。ですのでハードウェアに関係の深い情報はOSよりもBIOSのほうが得意なことが多いです。
たとえば、以下のような場合です。

パソコンのメモリーの容量が足りなくてパソコンの動作が重い(遅い)。だからメモリーを買ってきて増設したよ!
パソコンのメモリーを増設した場合、きちんと増設できたかどうかを確かめるには、わざわざOSを起動させて確認するのではなく、BIOSで確認するのがベストです。メモリーを増設するためには必ずパソコンの電源を切る必要がありますので、メモリーの増設が終わって電源を入れたらそのまますぐにBIOSの画面を表示させれば速やかに確認できるというわけです。
BIOSの設定は乾電池によって保存されている
電池切れに注意
BIOSの設定はパソコンのマザーボード上にセットされた乾電池が供給する電源によって保存されています。乾電池の寿命はパソコンの使用頻度によって変わりますが、長くても5年程度と言われています。パソコンを毎日何時間も使うという場合は3年を目安に交換したほうがいいでしょう。
マザーボード上の乾電池が切れてしまった場合の症状はパソコンによって様々ですが、OSが起動できなくなったり、OS上の時計が大幅にズレてしまうという症状が代表的なものです。
BIOSの初期化はトラブルシューティングの定番
パソコンのトラブルでパソコンメーカーなどのサポート窓口に問い合わせると「まずBIOSの初期化を行ってください」と案内されたことはないでしょうか。実際にBIOSの初期化で改善できるトラブルも少なくないため、パソコンのトラブルシューティングの定番となっているのです。覚えておきましょう。
主流はBIOSからUEFIへ

最近では、BIOSに変わるシステムとしてUEFI (Unified Extensible Firmware Interface, ユニファイド・エクステンシブル・ファームウェア・インタフェース) を搭載したパソコンが主流になりつつあります。UEFIのユーザー・インターフェース面の特徴としては、従来のBIOSが基本的にキーボードのみみしか使えなかったのに対して、UEFIではマウスが使えるようになっていたり、多言語に対応していたりと、表現力が豊かになっている点が挙げられます。