今回の記事では、実際に自己破産を経験した私の体験から、自己破産後に困ることなどをまとめたいと思います。
クレジットカードが持てない
自己破産すると5年~10年程度はクレジットカードを作れなくなります。
※幅があるのは、いわゆる「金融ブラックリスト」を管理している信用情報機関によって情報の保存期間が異なるためです。これについてはまた改めて別の記事にしたいと思います。
これは、「あなたは○年間、クレジットカードを作ってはいけません」と国や企業があなたに命じているからではなく、クレジットカード会社の審査に通らないから作れないという意味です。
これはあなたが自己破産した事実が信用情報機関に登録され、そしてクレジットカードの入会審査の際にはクレジットカード会社は必ずその信用情報機関の情報を調べるから生じるわけです。
だがしかし、クレジットカードがない生活は不便すぎる
スマホであろうとパソコンであろうと、インターネットをまったく使わないという人にはあまり実感できない不便さかもしれませんが、ネット上での決済は基本的にクレジットカードがメインで、ほぼ必須となっているといっても過言ではありません。
ネットで何か決済をしようと思った時にクレジットカードがないのはとても不便です。というかクレジットカード決済のみにしか対応していないショップやサービスなどは、もうそこでは買い物ができないということです。
解決策:デビットカード
そこで活用できるのがデビットカードです。デビットカードは審査なしで作成できますので、自己破産して間もない状態でも作成が可能です。そしてクレジットカードと同じように使うことができます。
しかしいくつかクレジットカードとは相違点もあります。
銀行口座に残高がないと使えない (即時引き落とし)
クレジットカードは使った分を翌月などにまとめて口座振替のかたちで返済しますが、デビットカードは使ったその場で紐づいている銀行口座から現金が引き落とされます。残高が足りない場合は決済できませんので注意が必要です。
分割払いやリボ払いはできない
デビットカードでの決済はすべて一括払いになります。
デビットカードの注意点
どれだけ使ってもクレジットヒストリーにはならない
デビットカードをどれだけ使ってもクレジットヒストリー(クレヒス)にはなりません。 クレジットヒストリーとは、これまでにも述べてきた信用情報機関に登録されるあなたの情報です。良好な情報が多ければクレジットカードを作る際の審査や住宅ローンを組む際の審査に有利になるといわれています。
クレジットカードは使えてもデビットカードは使えない店舗がある
私の近所のスーパーは、「クレジットカードは使えるがデビットカードは使えません」とレジで断られました。他に私が経験した例では、PCソフトのオンライン決済でデビットカードは使えなかったことがありました。
返品や注文キャンセルの場合の返金が遅いことがある
Amazonが有名ですが、普通のクレジットカードよりも返品やキャンセル時の返金が遅いです。デビットカードの会社によって異なるようですが私は返金されるまでに2カ月近くかかったこともありました。
ガソリンスタンドでは使えない(カード会社による)
私が使っているデビットカードはイオン銀行のものですが、ガソリンスタンドでは使えません。 ただこれはカード会社によって異なるので、ガソリンスタンドでも使えるデビットカードを求める方は事前にカード会社に確認することをおすすめします。
その他 自己破産後の制限
住宅ローンや自動車ローンが組めない
こうした分割払いもクレジットカードと同様に5年~10年程度は組むことはできません。ただ、私の場合はそもそも家や自動車を購入したいという欲求もありませんので、自己破産後に困っていること、という表現にはあたりません。ですが持ち家を持ちたい人などには深刻な悩みとなるかもしれません。
よく言われる自己破産のデメリットのウソホント
会社役員や弁護士、警備業などの職業につけない – ウソ情報もあるので注意
たまに「自己破産したらもう一生、弁護士や会社役員にはなれない」といったニュアンスで書かれている情報がありますが、これは正しくありません。
正しくは、自己破産の手続きを開始した後、裁判所によって無事に破産が認められて「免責」されるまでの間はこうした職業につけないということです。
ルール上は、自己破産したからといって一生なれない職業などというものは今の日本にはありません。
ただし、自己破産した情報は官報に掲載されてしまいますし、官報の情報を企業や個人が独自に収集して保存しておくことは法律上も問題がありません。その情報をたとえば企業が採用選考の際に利用したとしても、それも別に違法行為ではありません。
仮にそのような採用プロセスを行っている企業があったとして、あなたが過去に自己破産しているから採用されなかったとしても、あなた自身にそのように伝えることはないでしょう。こうしたことも考えると、特定の業種への就職が制限されるという懸念は法律などのルール以外のところでも考慮しておく必要はあります。
おわりに
以上、今回の記事では私が感じる自己破産後に困ること、およびデビットカードの特徴などについてまとめました。
それでは今日はこの辺で。最後までお読みいただきありがとうございます。