僕のインターネット環境は、ここ1年とちょっとは楽天ひかりのDS-Lite接続を使用したIPv6環境です。速度や安定性に特に不満はないのですが、NASの購入をきっかけに、外出先から自宅のネットワークが利用できたら便利だなあ、と考えるようになりました。
しかし、この記事に興味を持たれた方であれば、ご存知かもしれませんが、DS-Liteではポートの開放ができませんので、外部からアクセスすることができません。
そこで調べたところ、このような場合はルーターを2台導入して、IPv4接続とIPv6接続を併用する方法が一般的のようで、実際に運用されている情報も豊富なことがわかりました。
今回の記事は、IPv4とIPv6を併用することにトライした記録になります。
楽天ひかりでIPv4&IPv6の併用は可能?
はじめに結論から書きますと、2021年11月6日時点ではIPv4とIPv6を併用することは可能でした。しかし楽天のサポートページには「DS-Lite接続時はPPPoE接続はできない」という記載があるので、今後もずっと使えるかどうかは定かではないことは念頭に置いておく必要があるかと思います。
実際の試行錯誤
ネットワーク図
まずは、最終目標となるネットワーク図です。新たに購入が必要だったものは、スイッチングハブと2代台目のルーターです。ついでにLANケーブルもこの機会にCAT 6Aで統一することにしました。

スイッチングハブについては特にこだわりもないため、どこのメーカーの製品でもよかったのですが、このところ気に入って使っているTp-Linkのものにしました。格安です。
もう一台のルーター選び
追加で購入するルーターを何にするかは迷いました。定評のあるNECのAtermも検討しましたが、できるだけ安く済ませたいということと、新たに他社ルーターの設定を覚えるのも面倒だし…ということで、これまで使用してきたTP-LinkのArcher C80をもう一台、買い足すことに決めました。同型のルーター2台体制ということになります。
数珠つなぎ?それとも並列?
ネット上の情報には、スイッチングハブを使わずルーターのWANポートとLANポートをLANケーブルで接続していわゆる「数珠つなぎ」にすることでIPv4とIPv6を併用する方法もありました。ですがTP-LinkのC80でそれが実現できるかどうか確証が持てなかったため、結局、スイッチングハブを使っての無難な構成の並列接続としました。
クライアントPCの設定
将来的にどうするかはまだわかりませんが、とりあえず作業のためにWindows PCは固定IPを割り当ててから作業をはじめました。ルーターはDHCPサーバーも兼ねているからです。
PPPoEルーターの設定
PPPoEルーターはもちろん、PPPoE設定で接続するようにしておきます。

PPPoEルーターのDHCPサーバー機能は無効にします。

PPPoEルーターの「詳細設定」の「IPv6」にある「モード」を「無効」にします。

DS-Liteルーターの設定
次にDS-Liteルーターの設定をしていきます。まずはDS-Liteで接続を確立させます。

DS-LiteルーターでDHCPサーバーを有効にします。

デフォルトゲートウェイを変えるだけでPPPoEとDS-Liteを使い分けられる
今回の記事で紹介したIPv4とIPv6を併用する構成では、クライアントPC側でPPPoEルーターとDS-LiteルーターのどちらのIPアドレスをデフォルトゲートウェイに指定するかによって、インターネットにPPPoEで接続するか、またはDS-Liteによって接続するのかを切り替えることも可能です。
(ただ、切り替える必要性はあまりないような気もしますが…ちなみにうちの環境だと、IPv6、IPv4どちらに接続した場合もスピードテストの結果はさほど変わりませんでした)

PPPoEとDS-Liteでそれぞれ接続してみる
僕はIPv6接続確認には「http://check.xpass.jp/」を利用しています。クライアントPCのIPアドレス設定にて、PPPoEルーターをデフォルトゲートウェイに設定してから同サイトの「確認」を実行すると以下のように「クロスパス可変サービス以外を利用中」となります。もちろんIPv4接続ですので従来通りの方法でポート開放が可能です。

次に、クライアントPCのIPアドレス設定でDS-Liteルーターをデフォルトゲートウェイに設定して、同サイトの「確認」を実行すると以下のように「クロスパス可変サービス利用中」となり、DS-Liteで接続されていることがわかります。

ポート転送で外部からのアクセスもOK

なおTP-LinkのArcher C80はポート転送(開放)機能を普通に備えていますので、IPv4さえ通してしまえば外部からのアクセスも可能です。
おわりに
今回の記事では、楽天ひかりの環境でIPv4とIPv6を併用するための環境についてまとめました。最後までお読みいただきありがとうございます。